近年、需要の高まりを見せている飲む日焼け止めサプリ。
近所のドラックストアや、化粧品販売店などで手軽に手に入ります。
塗るタイプの物とは違い、ベタつくことがないのが人気の理由です。
今回、飲む日焼け止めサプリの本当の効果と、シミが出来るメカニズムについてまとめました。
結論を先に述べると、飲む日焼け止めサプリは、日焼け止めとしての効果は期待できません。
しかし、肌に嬉しい効果がいくつもあります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
日焼け止めとしては使いものにならない
先程述べたように、飲む日焼け止めは、日焼け止めとしては使い物になりません。
現に、アメリカ皮膚科学会から飲む日焼け止めを、塗る日焼け止めや、日焼けから守る衣服の代わりとして使用しないよう警告されてます。
具体的にSPF値で表すと、3ヶ月毎日飲んだ場合、1.56以下という研究報告があります(https://willfarm.jp/material/material-nutroxsun参照)
日焼け止めを使用した場合と、使わない場合を比べ、何倍の紫外線を当てると翌日に肌が赤くなるかを現した数値。
50以上の場合は50+と表示される。
SPFの数値が高いほど効果を期待できる。
市販の塗る日焼け止めのSPFは30〜50+のものが多いです。
つまり、SPFが2に満たない飲む日焼け止めサプリは、塗る日焼け止めとは比べ物にならないほど効果がないといえます。
他に何か効果ないの?
「それなら飲む必要ないじゃん。」
このように思う方もいるかもしれませんが、飲む日焼け止めサプリには、肌にとって嬉しい効果がたくさんあります。
飲む日焼け止めサプリの効果を知るためには、シミができる詳しいメカニズムを知る必要があります。
シミが出来るメカニズム

紫外線がシミの原因になる
このことは誰もが知っている事実です。
ではなぜ、紫外線が当たるとシミができるのか。
専門用語を交えて丁寧に解説します。
紫外線がシミの原因になる理由
紫外線が肌に当たると、その刺激から肌を守るために活性酸素が放出されます。
この活性酸素が引き金となり、表皮の一番下の基底層にあるメラノサイトを活性化させます。
メラノサイト
メラニンの色素を作りだす細胞。
色素細胞あるいは色素生成細胞とも呼ばれる。
チロシナーゼ酵素が働いてしまう
チロシナーゼとは、メラノサイト内に含まれる酵素です。
紫外線により、メラノサイトが活性化されると、このチロシナーゼ酵素が働いてしまいます。
では、チロシナーゼ酵素が働くとどうなるのでしょう。
メラニンが生成される過程
チロシンという透明な物質が、がチロシナーゼ酵素の働きにより、ドーパという少し茶色い化合物に変化します。
さらにチロシナーゼはドーパにも働きかけ、ドーパから、焦げ茶色のドーパキノンへと変化します。
ドーパキノンは科学的反応性が高いので、次々と反応を繰り返します。
そして、このドーパキノンが最終的にメラニンとなり、シミとして現れるのです。
チロシナーゼを抑制出来ればシミ対策に繋がる
つまり、チロシナーゼ酵素の働きを抑制することが出来れば、シミが出来にくくなるといえます。
このメカニズムを頭に入れた上で、飲む日焼け止めの効果についてみていきましょう。
飲む日焼け止めの本当の効果
市販されている飲む日焼け止めの多くに、以下の成分が含まれています。
成分ごとの有効性について解説していきます。
チロシン
チロシナーゼ酵素の働きを抑制し、予防美白の効果を示します。
シミとなるメラニンがスムーズに排出されるため、美白に繋がります。
ビタミンC(アスコルビン酸)
シミの色を薄くする還元美白の効果を示します。
また、抗炎症効果、老化防止効果、抗酸化効果といった、体に嬉しい効果を発揮します。
パントテン酸
肌の代謝を促進する代謝美白の機能を担います。
メラニンは、ターンオーバーによって肌の表面へと押し上げられます。
代謝機能が上がると、メラニンの排出機能も上がるため、蓄積されたシミを減らすことに繋がります。
ネーミングに騙されないで
塗る日焼け止めと、飲むタイプの日焼け止めサプリを併用することが最適な紫外線対策といえます。
飲む日焼け止めサプリ単体で使用しても、日焼け止め効果が乏しいということを忘れないようにしましょう。
飲む日焼け止めサプリというネーミングに惑わされないよう注意して使用しましょう。
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