80%以上の女性が経験するPMS(Premenstrual syndrome)。
その中で、およそ5.4%の女性が日常生活や社会生活に大きな支障をきたしています。
また、PMSは産婦人科で、PMDD(premenstrual dysphoric disorder)は精神科での治療となり、診療科が異なることにより治療開発がなかなか進んでいないのが現状です。
治療としては、ピルやSSRI、漢方薬などの処方がメインですが、症状を緩和させる方法は他にもあります。
今回、最新研究に基づき、PMSの症状緩和に効果を示した対処法についてまとめました。
PMSの症状緩和方法
科学的根拠のある、PMSの症状を緩和させる対処法をいくつか紹介します。
マグネシウムを摂る
マグネシウムの効果は優秀で、気持ちの落ち込みや、腹部膨満感、乳房筋満感などあらゆる症状を軽減させることがわかっています。
また、質の良い睡眠にもつながるので、不眠症気味の人はマグネシウムを継続的に摂取してみるのもよいでしょう。
そのほかにも、ストレスや頭痛を和らげる効果が認められています。
サプリメントに頼りたくない人は、豆腐や玄米、ほうれん草などを積極的に摂ることをおすすめします。
クロミウムサプリを摂る
激しい気分の浮き沈みは、セロトニンレベルが低下していることに起因します。
クロミウムは、このセロトニンの分泌量を高める作用があり、イライラや激しい怒り、うつ症状を和らげてくれるのでメンタル面でのケアにおすすめです。
野菜×オリーブオイル
野菜を摂ることで、ホルモンバランスが安定し、気持ちの落ち込みを軽減させる効果が期待できます。
また、オリーブオイルに含まれるオレイン酸はコレステロール値を安定させ、セロトニンが働きやすい環境を整えてくれます。
セロトニンがうまく機能するためには、血中コレステロール濃度が一定レベルに保たれる必要があるので、野菜とオリーブオイルは相性のよい組み合わせといえます。
メンタル面でのケアにバランスの良い食事が大切です。
ノンカフェイン緑茶
1日3カップくらい緑茶を飲むことで、重度の身体的症状の発生率を約60%軽減させることがわかっています。
血管が緩むことで、イライラや気分の落ち込み、集中力の低下、疲れなどにも効果を示します。
心と体をリラックスさせよう
食事やサプリメントだけでなく、身も心もリラックスさせることが大切です。
アロマを使う
アロマの香りは脳と心をリラックスさせます。
ラベンダーの香りを嗅ぐと、エンドルフィンが分泌され身体的症状を軽減する効果が認められています。
また、ジャスミンの香りを嗅ぐと睡眠の質の向上が期待できます。
どちらも副作用がありません。
アロマ×お風呂
入浴するだけでもリラックス効果がありますが、アロマオイルを湯船に入れることで相乗効果が見込まれます。
体を温めることで症状の緩和だけでなく、睡眠の質の向上も期待できます。
自分がリラックスできる香りを使いましょう。
体を動かして気分転換
ストレッチやヨガなど体を動かすことも症状緩和には効果的です。
また、散歩するだけでもストレス解消に繋がるのでおすすめです。
これらは避けるべき
PMS時に避けるべきものは以下の通りです。
- カフェイン
- 甘いもの
- 飲酒
- 禁煙
- 睡眠不足
- 身体を冷やす
- 激しい運動
- 身体を締め付ける服装
急激な血糖値の変動に伴い、気持ちを不安定にさせてしまうこともあります。
また、身体を冷やしたり、締め付けたりすると血行不良になり、ホルモンバランスの乱れに繋がるので控えましょう。
ストレスを溜めすぎない生活を心がける
普段からストレスを溜め込んでいると、自律神経が乱れ、症状が重くなる傾向にあります。
症状が重くなるとさらにストレスが溜まり悪循環に陥ってしまいます。
また、PMSを理解している男性が少なく、それがストレスになるケースも多く見受けられます。
一人で抱え込まずに、自分がリラックスできることを考え、たくさん甘やかすことが大切です。
最適なストレス対処法【根本的にストレスを解消させる方法とは】
参考文献
(1)Xiaoyu Zhang,et al.,(2019)Association of tea drinking and dysmenorrhoea among reproductive-age women in Shanghai,China (2013–2015): a cross-sectional study
(2)NIH(2018)Magnesium Fact Sheet for Health Professionals
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