日本でも感染が確認されたミュー株(B.1.621系)。
コロンビア由来のミュー株は、南米、ヨーロッパなどで報告され、注目すべき変異株(VOI)に位置付けられています。
まずは、懸念される変異株であるVOCと、注目すべき変異株であるVOIとの違いについて簡単に説明します。
懸念される変異株(Variant of Concern : VOC)
VOCは、主に感染性や重篤度が増したり、ワクチン効果を弱めたりなど性質が変化した可能性のある株のことで下記の4種類があります。
- アルファ株(B.1.1.7系統)
- ベータ株(B.1.351系統)
- ガンマ株(P.1系統)
- デルタ株(B.1.617.2系統)
これらが、次に説明するVOIよりも懸念すべきものになります。
注目すべき変異株(Variant of Interest : VOI)
VOIは、主に感染性や重篤度・ワクチン効果などに影響を与える可能性が示唆される株のことです。
今回ミュー株がこれに加わりました。
- R.1(E484Kがある変異株)起源不明
- イプシロン株(B.1.427/B.1.429系統)
- シータ株(P.3系統)
- カッパ株(B.1.617.1系統)
- ミュー株( B.1.621系統)
ミュー株(B.1.621系)
ミュー株は、ワクチンの効果を弱める恐れがある変異を起こしているのが特徴です。
段階的で見ると、VOCよりは警戒レベルが低く設定されています。
また、ミュー株の置換の一部は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT PCR)の対象となる位置の残基に影響を及ぼし、テスト結果に干渉し、他のVOCが原因と思われる症例数を誤って増加させる可能性があります。
逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT PCR)
RNAを対象としたPCR法。逆転写酵素(reverse transcriptase)を用い、RNAサンプルを相補的DNA(cDNA)へと転写し、得られたcDNAに対して通常のPCRを行う。
ウイルスが高い感染力を獲得するためには以下の方法などが挙げられます。
- 人体の細胞に入る方法を改良する
- 空気中でなるべく長く感染力を保つ
- 体内のウイルス量を上げる
- 伝播する際に変化する
新型コロナウイルスの変異を監視するにあたり、変異の疫学的および臨床学的重要性を理解するには、さらなる研究が必要です。
ウイルスの人から人へと感染しながら変異する機会はさらに増えています。
また、ミュー株についても、パンデミックに対する生物学的および疫学的寄与のさらなる評価が必要になります。
追加情報ありましたら追記します。

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