人はなぜ重要な決断を間違えるのか?【誰もが陥る思考の罠とは】

心理

重要な物事の判断を迫られたとき、正しく決断できると断言できる人はそういないでしょう。

決定理論に基づく正しい決断方法を知っている人ですら、正しい判断をすることが難しいのです。

今回、人が決断を間違える理由と、誰もが陥る可能性のある錯覚について解説します。

この記事を読むことで、あなたが決断する時、思考の罠に嵌るのを防ぐことができます。



重要な物事の決定方法

重要な物事を決定するときは、「決定論理」に基づいて考えることが推奨されています。

やり方は以下の通りです。

1. 対象のプラス面を全てリストアップする

2. リストアップしたものの重要度を数値で表す

3. その数値に、プラス面が現実のものとなる確率を掛け合わせる

4. マイナス面でも同じことをする

5. プラス面の数値を足したものからマイナス面の数値を足したもの引く

これで正味の期待値が求められます。

正味の期待値がゼロより高いか低いかで物事を判断することができるという方法で

この方法をご存知の方も多いかと思いますが、実際に使っている人は数少ないでしょう。

人が決断を間違える理由

決定理論を知っていても、実際にこの方法で物事を決める人が少ないのには4つの理由があります。

正しくリストアップできない

私たちは、プラス面とマイナス面の全てをリストアップできる想像力を持っていません。

なぜなら、思い浮かぶことに限りがあり、今までの経験を超えてメリットとデメリットを思いつくことは難しいからです。

予測には限界がある

ほんの微かな可能性を予測できる人はどれほどいるでしょうか。

多くの人は、滅多に起こらない出来事を現実になると予測することはないです。

予測には限界があるので、決定理論が成り立たなくなります。

脳が適していない

私たちの脳は、決定理論の計算に適していません。

人間は、進化の過程でヒューリスティックという思考を使うようになりました。

何事に対しても、時間をかけて思考を重ねた人は、肉食動物に食べられてしまいます。

つまり、私たちは即時に決断を下した人たちの子孫というわけです。

決断に至るまでの時間を短縮できる、ヒューリスティックを使うため、脳は決定理論の計算に適さないのです。

感情ヒューリスティック

私たちがよく使うヒューリスティックのひとつに感情ヒューリスティックというものがあります。

これは、咄嗟に沸き起こった感情によって、好き嫌いを判断することです。

こうした感情が無意識に生じると、リスク利益を分けて考えることが困難になります。

物事に対し、好きだと感じると、リスクは少なく、利益は大きいと脳が思ってしまうのです。

その結果、正しい決断を下すことも難しくなるというわけです。

自分の考えに批判的な意見を取り入れる

人は、自分が確信していること以上に納得のいくものはありません。

これを専門用語で自己観察(内観)の錯覚と呼んでいます。

この自己観察の錯覚は、ただの思い違いではないのです。

自己観察の錯覚に陥り、自分が確信していることを疑おうとしない場合に、誰からも共感されなければ次の3パターンの反応を示します。

相手が自分より無知だと考える

この人は自分よりも必要な情報が得られていない、つまり無知だと考えます。

相手も、自分と同じことを知って位いれば、自分と同じように考えると感じてしまうパターンです。

自分の知っていることを教えてあげれば、相手を納得させられると信じてしまいます。

相手は自分よりも愚かと考える

この人は自分よりも理解力が足りておらず、正しい結論を導き出せていないと考えます。

相手を愚かと思うことで、自分の身を守り、正当化しようとする人の特徴でもあります。

相手は自分に対し悪意があると考える

この人は知識と理解力があるのに、わざと自分と対立していると考えるパターンです。

何か企んでいるのだろうかなど、相手に悪意があると考えます。

 

上記の通り、自己観察の錯覚は大変危険なものであることがわかります。

自分の考えだけを深く信じすぎると、それが間違いと気づいた時のショックを大きなものにします。

つまり、物事に対し強い確信を持っているときほど、自分の考えに批判的な意見を取り入れる必要があるのです。

自己肯定感を高める方法【悩みを軽くする10のトレーニングとは】
自己肯定感は人生を切り開く力の源です。 自己肯定感はいつでも、誰しもが高めることができます。 自己肯定感が高い状態にあると、物事を前向きに解釈することができ、気持ちが安定して、積極的な行動につながるのです。 また、自己肯定感の低下は、...

人は最適なものを見逃す

物事に対し、ひとつの選択肢次善の選択肢と比較することを忘れてしまうケースが多く見受けられます。

人は、現状と選択肢を示されると、その二つだけを比較してしまいがちです。

また、この思考法は間違っていることに気づいていない人が少なくありません。

必ず、次善の選択肢と比較するように心がけましょう。

このひとつの手間が、あなたの決断を大きく左右することになります。

これらを頭に入れておくだけで、思考の罠に陥ることを防ぐことにつながります。

コンフォートゾーンから抜け出す4つの方法とは【自己成長のコツ】
私たちが普段行動している領域のことをコンフォートゾーン(快適領域)といいます。 コンフォートゾーンから抜け出すことで、自分の成長と、ドーパミンに起因する幸福感を得られます。 しかし、新しいことに挑戦しようと思うと、失敗のリスクを恐れるの...

参考文献

Rolf  DobelliThink SmartThe Art Wise Action 52 Mistakes  You Had  Better Leave To Others,2019 by Piper Verlag GmbH,Munchen/Berlin Published by arrangement

コメント

タイトルとURLをコピーしました